【2026年最新】民泊・旅館業で狙うべきエリアはどこ?都道府県別の宿泊者数・届出住宅数ランキング

民泊・旅館業の開業を検討している方にとって、最も難しいのは「物件選び」や「収益性の判断」ではないでしょうか。どのエリアに、どのような物件を構えると、どの程度収益が上がるのかを、マーケット情報から総合的に判断する必要があります。

2025年は、特区民泊の制度を活用しながらインバウンド需要を狙いに行く大阪市や、空港・観光エリアともにアクセスが良く、物件価格も一定抑えやすい東京都墨田区・葛飾区などが話題となりました。

一方、いわゆる人気のエリアでは、競合物件も増えやすく、稼働率の低下や価格競争に巻き込まれやすいとも言えます。さらに、都市部を中心に特区民泊の廃止や民泊・旅館業の規制強化が進んでいるのも事実。参入すべきエリアの選定にあたった判断軸がより複雑化してきています。

本記事では、民泊市場の需要と供給をマクロ環境から捉えるべく、47都道府県別の「宿泊者数ランキング」「届出住宅数ランキング」を実数・成長率の観点から解説し、今後の民泊・旅館業開業の検討材料をお届けします。

この記事でわかること

  • 過去3年の都道府県別の宿泊者数・住宅宿泊届出数のランキング
  • 需要と供給のバランスから見る、参入エリアの考え方

この記事の執筆者

ReINN

■ この記事の執筆者
ReINN株式会社/東急不動産ホールディングスグループ
民泊メディア編集部 マーケティングマネージャー
民泊領域に特化した専門編集チームとして、行政手続き・運営ノウハウ・物件選定など、開業から運営・売却までを一気通貫でサポートする情報を発信。営業現場で蓄積された実データと最新トレンドを基に、オーナーの意思決定を支えるコンテンツを企画・編集している。

【免責事項】
・本記事における「民泊」とは、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業、旅館業法に基づく簡易宿所営業、および特区民泊制度のいずれも含む総称です。
・本記事の内容は、2026年4月時点で確認可能な法令・制度・サービス内容・データ等に基づき作成しています。最新の情報については、必ず各自治体や事業者の公式ホームページにてご確認ください。

目次

【都道府県別】宿泊者数ランキング|今最も伸びている都道府県はどこ?

まずは、民泊・旅館業の宿泊需要を確認するために、都道府県別の延べ宿泊者数を見ていきます。

宿泊者数は、その地域にどれだけ宿泊需要が集まっているかを把握するうえで、最も基本となる指標のひとつです。今回は、コロナ禍後の市場が落ち着き始めた2023年から2025年までの推移をもとに、実数の大きさ足元の成長率の両面から整理しました。

実数上位は、引き続き大都市圏と主要観光地が中心

【宿泊者数】47都道府県ランキング一覧を見る

延べ宿泊者数ランキングの上位には、東京都、大阪府、北海道、京都府、沖縄県が並びました。いずれも観光需要に加え、ビジネス需要やイベント需要、広域周遊の拠点機能を持つエリアであり、宿泊市場の規模そのものが大きいことがわかります。民泊・旅館業の開業を考えるうえでも、まずこうしたエリアが依然として大きな受け皿であることは押さえておきたいポイントです。

ただし、実数が大きいことは、そのまま参入しやすさを意味するわけではありません。市場規模が大きいエリアほど、すでにホテル・旅館・民泊等様々な形態での供給が厚く、物件取得コストや競争環境の面でもハードルが高くなりやすいためです。特に東京や大阪のような都市部は、需要の厚みがある一方で、後発参入では差別化や運営力がより問われやすい市場といえます。

さらに、東京都や大阪府、京都府を中心に、各自治体の上乗せ条例によって運営に対する規制強化も進んでいます。例えば、東京都墨田区では、2026年4月より以下のような条例改正を開始しています。

【住宅宿泊事業】
原則、営業可能期間は金曜正午~日曜正午の週末に限定(常駐者が同一建物内または規則に定める場所などにいる場合は従来通り年間180日の営業上限)
【旅館業】
営業中に施設内もしくは規則に定める場所へ従事者を常駐させることが義務化

営業日数の制限が加わったり、常駐義務化が進むと、想定していた売上より収益が上がらなかったり、常駐者に対するコスト負担が増加することで、最終的な利益も残しにくくなる構造となってしまいます。

このように、市場規模が大きいエリアに関しては、需要もさることながら、競争環境の激化や法規制の強化によって運営ハードルが高いことも認識しておく必要があります。

1位はなんと○○県!宿泊需要の伸びは全国に分散

【宿泊者数成長率】47都道府県ランキング一覧を見る

成長率ランキングに目を移すと、三重県、山梨県、愛知県、奈良県、福井県といった県が上位に入っています。実数ランキングの上位常連とはやや異なる顔ぶれであり、足元の宿泊需要は大都市や有名観光地だけでなく、地方県にも広がっていることがわかります。

参入エリアを検討する際、市場規模だけを見てしまい、既に競争が激しい東京・大阪・京都などに偏りがちですが、成長率まで含めて見ることで、今後需要の積み上がりが期待できる県を見つけやすくなります。さらに、地方においては物件の取得価格を一定抑えられたり、二拠点生活推進等で積極的に民泊を受け入れたい地域も存在します。

このように、参入候補を考える際は、単純に「宿泊者数が多い県」だけを見るのではなく、市場の大きさと伸び方を分けて考えることが大切です。大きな市場には安定需要がありますが、伸びている市場には新規参入の余地が残っている場合があります。まずはこの2つを分けて見ることが、エリア選定の出発点になります。

【都道府県別】届出住宅数ランキング|競合物件の参入状況は?

続いて、供給側の動きを見るために、住宅宿泊届出数のランキングを確認します。

宿泊需要が大きくても、同時に競合物件が急増していれば、価格競争や稼働率低下のリスクは高まります。そこで、住宅宿泊事業法に基づく届出件数の実数と成長率を見ながら、民泊市場への参入がどこで進んでいるのかを整理します。

届出数の実数は、東京・北海道・大阪・福岡に集中

【届出住宅数】47都道府県ランキング一覧を見る

届出住宅数ランキングを見ると、東京都が突出しており、次いで北海道、大阪府、福岡県、沖縄県が続いています。需要の大きい都市部や観光地に民泊供給が集まりやすいという、現在の市場構造がそのまま表れた結果といえるでしょう。

特に東京都は、宿泊需要の実数ランキングでも1位、届出住宅数でも1位となっており、需要・供給の双方が最大規模の市場です。一方で、供給量がすでに非常に厚いことを意味しており、これから新規参入する場合には、単に立地が良いというだけで勝ち切るのは難しい可能性があります。北海道や大阪、福岡も同様に、市場としては魅力的である一方、競争が進んでいるエリアとして見ておく必要があります。

成長率上位には地方県も多く、競争は全国に広がっている

【届出住宅数成長率】47都道府県ランキング一覧を見る

届出住宅数の成長率ランキングでは、熊本県、佐賀県、福岡県、愛媛県、東京都が上位に入りました。都市部だけでなく、地方圏でも住宅宿泊届出数が大きく伸びていることがわかります。つまり、民泊供給の増加は一部の人気都市だけの現象ではなく、全国に広がりつつあるということです。

現時点の件数がまだ多くない県でも、成長率が高ければ、これから競争が強まっていく可能性があります。新規開業や転用を考える際には、現時点の供給量だけでなく、競合がどのくらいのスピードで増えているかまで見ておくことが重要です。

なお、ここで見ているのはあくまで住宅宿泊事業法に基づく届出件数です。実際の宿泊市場では、旅館業許可で運営されている簡易宿所や、ホテル・旅館なども競合になり得るため、特に都市部や人気観光地では、表面上の届出件数以上に競争が進んでいる可能性があります。

したがって、このランキングは「競合の全体像」ではなく、住宅宿泊事業としての供給増加の方向性をつかむための指標として読むのが適切です。旅館業を含めた開業を検討している場合は、この数字を出発点にしつつ、実際の競合施設数や料金帯、立地条件まで落とし込んで確認する必要があります。

需要と供給のバランスから、参入エリアを考える

ここまで見てきたように、宿泊者数ランキングは「需要の大きさ」、届出住宅数ランキングは「供給の厚み」を示しています。民泊・旅館業の参入判断では、この2つを別々に見るだけでなく、需要と供給の差がどうなっているかを重ねて考えることが重要です。

そこで、宿泊者数順位と届出住宅数順位、さらにその成長率の差をもとに、各都道府県の市場評価を整理しました。

市場規模が大きいエリアは、10位以内/10位以降で傾向が異なる

【市場スコア(規模順)】47都道府県ランキング一覧を見る

市場規模TOP20を見ると、東京都、大阪府、北海道、京都府、沖縄県などが並びますが、需要の大きさに伴って供給量も多いエリアとなっています。

例えば、東京都を見ていきましょう。いわずもがな、需要・供給ともに1位となっており、足元の成長差でも供給側の伸びが強いことを示しています。つまり、すでに市場は成熟していて、かつまだまだ新規参入が多いため、市場としては過熱している状態となっています。また、大阪府については特区民泊もあり、見た目上はポテンシャルがあるエリアとなっていますが、実際には競争は激しいエリアと言えます。このような成熟市場では、開業余地がないというより、後発参入で勝つ条件が厳しくなる市場として捉えるほうが実態に近いでしょう。

一方、北海道や沖縄は市場の大きさはありつつ、届出住宅数の成長率は順位を落としており、まだ参入余地があるエリアと言えるかもしれません。また、10位以降には長野県、宮城県、石川県など、宿泊者数は一定規模ありつつも届出住宅数自体が少ないエリアも存在します。

このように、宿泊需要が高いTOP10以内の都道府県は、その需要の大きさだけ届出住宅数も多い傾向にあり、10位以降は既に成熟しているエリアと、まだ参入余地のあるエリアに分かれる傾向にあります。

需要に対して供給量が足りていないエリアも

【市場スコア(市場スコア順)】47都道府県ランキング一覧を見る

市場スコアTOP20では、石川県、山梨県、大阪府、宮城県、福島県、長野県、三重県などが上位に並びました。これは、宿泊需要の順位や伸びに対して、住宅宿泊届出数の順位・伸びが相対的に追いついていない県を抽出した結果であり、需給ギャップの観点から見た一次スクリーニングとして有効です。

例えば、石川県においては宿泊者数の規模はありながらも、届出住宅数は全国41位と低く、成長率で見ても全国37位と半数以下の順位となっています。また、宮城県や福島県、長野県などは宿泊者数に対して届出住宅数が少なく、かつ届出住宅数の成長率も高くないエリアなので、場所によっては参入余地があるかもしれません

なお、大阪府は市場スコア上はポテンシャルがあるように見えますが、実際には特区民泊の活用が進んでおり、ホテル供給も多く、競争環境はかなり厳しいエリアです。したがって、市場スコアはあくまでマクロで需給の歪みを可視化するための参考指標と位置づけ、最終判断では規制、旅館業の可否、ホテル競合、エリア特性まで踏み込んで確認する必要があります。

ReINNでは、民泊・旅館業の参入から一気通貫で支援しています

今回のランキングは、都道府県単位で市場の大枠をつかむには有効ですが、実際の収益性は市区町村や駅距離、観光導線、規制、用途地域、建物スペックによって大きく変わります。同じ都道府県の中でも、需要が集中するエリアとそうでないエリア、旅館業に向く立地と住宅宿泊事業に向く立地では条件が大きく異なります。
そのため、実務ではまず都道府県別ランキングで候補エリアを絞り、その後に市区町村単位の宿泊需要、競合、条例、取得価格まで落とし込んで精査していく流れが現実的です。今回の市場スコアは、その最初のスクリーニングとして活用するのがよいでしょう。

東急不動産ホールディングスグループのReINNでは、このようなマーケット環境を踏まえた民泊物件の購入支援や、すでに保有している物件を民泊化する際のご相談まで、一気通貫でサポートしています。

「どのエリアを狙うべきか知りたい」「この物件は民泊化に向いているのか判断したい」といった段階でも問題ありません。まずはお気軽にご相談ください。

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