近年、民泊・旅館業(以後「民泊」)の制度を活用し、 「別荘を持ちながら収益化」する新しい不動産活用の形が注目されています。
しかし、いざ検討を始めると 「本当に収益は出るのか」「運営はどれくらい大変なのか」「初心者でも実現できるのか」といった不安から、一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、山中湖で実際に別荘民泊を運営するManaさんご夫婦にインタビューを実施。別荘民泊を始めた背景から、メリット・デメリット、収益のリアルまで詳しく伺いました。
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【免責事項】
・本記事における「民泊」とは、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業、旅館業法に基づく簡易宿所営業、および特区民泊制度のいずれも含む総称です。
・本記事の内容は、2026年5月時点で確認可能な法令・制度・サービス内容等に基づき作成しています。最新の法令や制度、各サービスの詳細については、必ず各自治体や事業者の公式ホームページにてご確認ください。
別荘民泊を始めたきっかけ|”理想の暮らし”と”資産活用”の両立が出発点

――まずは簡単にご自身について教えてください。
Manaさん:
私は日本で生まれ育ち、新卒でAmazonに入社し、その後外資系企業で働いていました。第一子の妊娠を機に退職し、現在は浜松と東京を拠点にしながら、モンテッソーリ教育に関わる事業や、山中湖の別荘民泊の運営を中心に行っています。
Jさん:
僕は幼少期からアメリカで育ち、大学・大学院も現地で修了しました。
現在はソフトウェアエンジニアとして働きながら、資産運用や設備、IT面のサポートをしています。趣味は登山とサウナです。
――別荘を購入しようと思ったきっかけを教えてください。
Manaさん:
もともと接客やおもてなしに憧れがあり、夫婦で国内外を旅する中で民泊の魅力を感じていました。そんな中、「別荘を活用して民泊が出来る」ということを知り、そこから本格的に考え始めました。
実際に、自分たちのためだけに別荘を持つのは現実的ではないとも感じていたので、「使わない時間を活用できるなら意味がある」と考えていました。子どもとの時間を豊かにする投資という意味もありつつ、やるなら事業として成立させたいという思いがありました。
Jさん:
人が来なくても最悪自分たちで使えばいいからやればいいじゃんっていう考え方もありましたね。
Manaさん:
そう、ビジネスチャンスがあるならやろうと夫に背中を押されました。そうして、自分たちの手で価値を高めていける事業である「別荘民泊」という形にたどり着いたんです。
別荘民泊を選んだ理由|賃貸投資ではなく「事業」としての魅力

――賃貸など他の不動産投資は検討されましたか。
Manaさん:
はい、検討段階では、都心のプレミアム物件のキャピタルゲイン(売却益)を狙う手法や、一般的な賃貸運用も同時並行で見ていました。大前提として資産を分散させたいと話をしていました。
Jさん:
ただ、いわゆる賃貸投資ってオーナーとしての関わりが薄くて、正直あまり面白くないんですよね。僕はゼロから価値を作っていくのが好きなので、民泊の方が事業としてやりがいがあると感じました。
Mana:
それに、「赤ちゃん連れでも安心して泊まれる宿が少ない」という課題もあって、それなら自分たちで作ろうと思いました。シリコンバレー的な「課題解決」の精神ですね。
それに加え、元々おもてなしが好きで自分の理想を形にできる楽しさもありました。また、万が一収益が振るわなくても「最悪自分たちの別荘として使えばいい」と思える、ギャンブルではない投資対象である点も大きな魅力でした。
別荘民泊で成功するエリア・物件選び|山中湖を選んだ理由

――なぜ山中湖を選ばれたのでしょうか。
Manaさん:
山中湖は子どもの頃から馴染みのある場所で、大人になってからもお墓参りのついでに家族で定期的に集まっていました。ですが、実際に宿泊施設を探すと、赤ちゃんや高齢者を含めた多世代で快適に泊まれる場所が少ないと感じたことがきっかけです。
アクセスや自然環境、需要のバランスを見て「貸別荘として成立する」と判断しました。
――物件選びで最も重視されたポイントを教えてください。
Manaさん:
一番は「子どもが安全に過ごせる環境」です。交通量や周辺環境を見て候補は自然と絞られましたね。
この物件はもともとペット同伴OKの設計で、庭全体がフェンスで囲われ、室内の階段にもゲートが備わっていました。「これは子連れコンセプトにそのまま転用できる!」と直感しました。
また、前のオーナー様が旅館業の許可取得を進めていた物件だったため、消火器などの消防設備も旅館業仕様で整っており、スムーズに民泊を始められた点も大きかったです。
――旅館業の許可がある状態で引き継いだとのことですが、内装などはどう変えられたのですか。
Manaさん:
家具家電は付いていましたが、私たちのコンセプトは「赤ちゃんがいても完全な安心」だったので、かなりの部分をアップデートしました。
まず、あらゆる子育てグッズを完備し、駐車場に落下防止フェンスを設置するなど外構工事も行いました。また、運営会社さんと相談しながら、リネンの種類もオペレーションを意識したものに変更しました。
――「赤ちゃん連れこそ民泊」というお考えについて、詳しく伺いたいです。
Manaさん:
ホテルにも「ウェルカムベビーの宿」はありますが、やはり限界があるんです。3時間おきのミルク、離乳食の準備……。ホテルだとキッチンがないので、親は常に気を張っています。
でも、ここなら自宅と同じ環境で、広いリビングがある。特に三世代〜四世代や複数の家族で泊まる場合、ホテルだと部屋が分かれてしまいますよね。そうすると、子供が寝た後に大人が集まってお酒を飲むことすらできません。でも民泊なら、隣の寝室で子供を寝かせつつ、リビングで大人の時間を楽しめる。 実際にひいおばあちゃんを含めた四世代で集まったことがありますが、全員が一つ屋根の下で、お互いを見守りながら過ごせる効率の良さと楽しさは、民泊ならではですね。
別荘民泊の運営は大変?|豊かな滞在体験の裏にある、運営の手間と判断

――実際にやってよかったと感じる点を教えてください。
Manaさん:
家族の過ごし方が大きく変わりましたね。
多世代で集まりやすくなったことが一番の変化ですが、子供たちにとっても素晴らしい経験になっています。自然豊かな場所で過ごせたり山中湖の冬の寒さで凍った氷で遊べたり。子供もこの別荘に行くのを楽しみにしていますね。
――運営を始めてみて、期待とギャップはありましたか。
Jさん:
寒冷地特有の管理です。特に水抜きは重要で、想像以上に手間がかかります。
基本、別荘地は冬に使わない前提なら水道管から水を抜いて放置しますが、民泊は1年中いつ予約が入るか分からないので、水抜きはせず、絶対に凍らないように運営方法を工夫しています。
給湯器や灯油設備など、普段扱わない設備の理解も必要でしたね。でも、僕はこういう仕組みを学ぶのが好きなので、苦労というよりは「新しい学び」として楽しんでいます。
Manaさん:
立ち上げ期もかなり大変でした。
「こだわり」が強かったというのはあると思います。管理会社に任せる選択肢もありましたが、理想の空間を自分たちでつくりたくて、オープン前の2ヶ月は4歳と1歳の子どもを連れて毎週通いました。
日中は育児、夜は準備という生活で大変でしたが、細部まで自分たちで整えられたのは良かったです。家づくりに近い感覚でした。
別荘民泊の運営方法と収益のリアル|遠隔でも民泊運営を叶える

――運営されている物件数やエリア、運営歴について教えてください。
Manaさん:
運営を始めてちょうど1年ほどになります。現在は山中湖の1軒を運営していますが、一定の手応えを感じており、すでに2軒目の準備も進めています。
1軒でもしっかり運営すれば成立するという実感が持てたのは、大きかったですね。
――現在の運営体制について教えてください。
Manaさん:
自宅が浜松なので、清掃やゲスト対応、警備の駆けつけまで基本のオペレーションはすべて外部に委託し、遠隔で管理しています。
ただ、気になる性格なのでレビューは全件確認しています。「どこかが臭う」といった指摘があれば、すぐに管理会社に依頼して対応しますし、必要に応じて自分たちでも備品を買い足すなど細かく調整しています。
運営会社は日々の清掃は担ってくれますが、家を長く保つためのメンテナンスまではカバーされないため、その部分は妥協せず自分で管理しています。
Jさん:
実際に泊まってみないとわからない点も多いですね。例えばフィルター一つでも、通常の掃除に加えて空気清浄機のサブフィルターを定期的に洗浄する必要があります。 気づかれないような細かな部分かもしれませんが、そういったところこそ妥協せず整えることが大切だと思っています。
別荘民泊の相談役|事業化を支える存在”ReINN”

――運営会社選びで重要なポイントはありますか?
Manaさん:
表面的な手数料の安さだけで選ばないことだと思います。
手数料を下げすぎると、その会社にとっての優先順位が下がってしまい、結果的にサービスの質にも影響が出る可能性があります。質の高い運営を維持するためには、適切なコストをかけることが重要だと感じています。
また、自分が「こだわりたいオーナー」なのか、「完全に任せたいオーナー」なのかを理解することも大切です。そのタイプに合った運営会社を選ぶことが、長く続ける上でのポイントだと思います。
――事業化を進める中で、相談役はいたのでしょうか?
Manaさん:
民泊をやりたくても、物件探しからサポートしてくれる会社がほとんどありませんでした。 多くの会社に連絡しましたが「山中湖はエリア外です」「リゾート地は難しいです」と門前払いされることも珍しくありませんでした。そんな中、ある会社を通じて紹介されたのが東急不動産ホールディングスグループの ReINNさんでした。

――実際に受けたサポートの中で、印象に残っているものはありますか。
Manaさん:
一番大きかったのは、「事業性ローン」の道筋を立てていただいたことです。
セカンドハウスローンは使えなかったため、私たちは事業として融資を組むことを想定していました。
そのための事業計画書の作成やマーケット調査、複雑な法令の整理など、個人だけでは対応が難しい部分をすべてサポートしていただきました。
民泊はまだ新しい分野なので、適切な情報やネットワークがないと、自分に合った運営会社や物件に出会うのが難しいと感じています。その点で、トータルで相談できる存在がいることは非常に心強く、他にはあまりない立ち位置だと感じました。
――収支はどのような状況ですか。
Manaさん:
初期費用については、最初から運営できる状態で物件を購入したため特殊なケースですが、年間で見ると、ローンや光熱費を含めて売上でカバーできており、別荘を維持できる状態です。大きく儲けるというより、「理想の別荘を持ちながら、自分たちも楽しめる」点に価値を感じています。
一方で、昨年は単価を下げすぎたことで、マナーの面で課題のあるゲストが来てしまった反省もありました。現在は価格を適正に保ち、「価値を理解してくださる方に泊まっていただく」ことを意識しています。これが結果的に、別荘を長く良い状態で維持することにつながっていると感じています。
まとめ|別荘民泊は「人生を豊かにする選択肢」

――最後に、別荘民泊を検討している方へメッセージをお願いします。
Manaさん:
別荘民泊は、子育て世代を始め、自分が理想とするライフスタイルの実現を考える中で、 本当に魅力的な選択肢だと思います。
経済的な合理性だけでなく、素晴らしい家が使われないままになってしまうのはもったいないですよね。
民泊として活用することで、家も活き、ゲストにも喜んでいただける。そういう価値があると感じています。
Jさん:
例えばサウナ付きの物件だと、子どもを寝かしつけた後にすぐリラックスできるなど、民泊ならではの楽しみ方ができます。サウナ目的のゲストも来てくれるので、付加価値としても有効だと思います。
Manaさん:
そして、始めるうえで一番大切なのは「初動」です。
物件を購入してから民泊を考えるのではなく、最初からエリアや法律、運営まで見据えて設計する必要があります。そのために、融資・法規制・運営を横断的に相談できるパートナーの存在は非常に心強いです。
民泊はまだ新しい分野で情報も限られているからこそ、ReINNさんのように東急不動産という大きなバックボーンがありながら、ベンチャーのようなスピード感を持つチームに相談できる価値は非常に高いと感じています。 自分自身の価値観や家族との時間を大切にしながら選択していけば、別荘民泊は人生をより豊かにしてくれるものになるはずだと思います。
理想の別荘ライフを楽しみながら、使わない時間は事業として活かす——
別荘民泊は、ただ収益化を目指す不動産活用ではなく、家族との時間を豊かにしながら、自分たちらしい価値を育てていける選択肢です。
一方で、物件選びや資金計画、運営会社の選定、エリア特有の管理など、始める前に整理すべきことも少なくありません。だからこそ、理想の暮らしと事業性の両立を目指すなら、早い段階で全体像を相談できる相手を持つことが重要です。
別荘民泊が少しでも気になった方は、まずはReINNに相談し、自分に合った始め方を見つけてみてはいかがでしょうか。
<プロフィール>
Nさん夫婦 浜松と東京の二拠点生活を送りながら、山中湖で別荘民泊を運営。Manaさんは外資系企業での勤務を経て、現在はモンテッソーリ教育に関わる事業を展開。民泊運営の中心を担っている。Jさんは米国育ちのソフトウェアエンジニアで、資産運用や民泊設備、IT面を担当。現在は山中湖の1棟を運営し、開始から約1年で安定した運営を実現。2棟目の展開も進めている。



