【2026年最新】全国47都道府県マクロ動向|民泊・旅館業で狙うべきエリアはどこか

「宿泊者数が多い県」を調べて、それで満足していないでしょうか。

観光客が多い、話題になっている——そんな「知名度」だけでエリアを選ぶ人が後を絶ちません。しかし知名度が高いエリアほど、競合はひしめき、規制も厳しくなっているのが現実です。

本記事では、観光需要・競合物件数・収益性・地価という4指標を重ね合わせ、47都道府県を「王道」「成長」「資産」「飽和」の4エリアに分類してします。

この記事でわかること

  • 観光需要・競合物件数・収益性・地価、4指標の都道府県別ランキング
  • この4指標を重ねた「王道/成長/資産/飽和」の4エリア分類
  • マクロで見た47都道府県の中で、次にどのブロック・県を深掘りすべきか

本稿のデータについて:観光需要は市区町村別観光来訪者数(2024・2025年)、競合物件数・収益性はReINN独自データ(2026年6月時点)、地価は国土交通省「地価公示」を使用しています。

単体の指標だけでは何もわからない

観光需要の実数ランキングでは東京都・愛知県・静岡県・神奈川県・大阪府が上位に並びます(2025年)。しかし競合物件数のランキングも東京都・大阪府・北海道・京都府・沖縄県とほぼ同じ顔ぶれです。

しかしながら、県別に観光需要と競合物件数のプロット図(下記)を見ると、両者の相関係数は0.75。「需要が多いから供給も多い」という当たり前の結果が出ているだけで、これだけでは実務で使える結論にはなりません。

指標を掛け合わせ、47都道府県を4つに分ける

ここまで、需要と供給のデータを見てきましたが、別の指標として、収益性(平均RevPAR)・地価(住宅地平均価格)を重ねると、各県は次の4つに位置づけられます。

王道エリア(高収益×高地価:右上):京都府・東京都など18県。RevPARは京都府が全国トップですが、参入余地は最下位クラスで、すでに供給が需要に追いついています。理想の組み合わせですが長続きしない前提で見るべきエリアです。

成長エリア(高収益×低地価:左上):福井県・山梨県など6県。福井県はRevPAR全国トップながら地価は中央値以下。運用向きの候補ですが、地価が上がらない理由も確認が必要です。

資産エリア(低収益×高地価:右下):大阪府・埼玉県など6県。稼働では稼げませんが地価は堅調。平均成長率は10.1%と4分類中最高で、保有・売却前提の人に向くエリアです。

飽和エリア(低収益×低地価:左下):佐賀県・鳥取県など17県。参入余地も地価の伸びも乏しく、今動く理由が見当たらないエリアです。

中央値で4分割すると、王道18県・飽和17県・成長6県・資産6県という内訳になりました。地価と収益性はもともと相関しやすいため、王道と飽和で4分の3を占めるのは想定通り。本当に見るべきは、相関から外れた少数派である成長エリアと資産エリアです。

「ブルーオーシャン」と「レッドオーシャン」、実は真逆の顔ぶれ

ここまでの4分類は、収益性と地価という2つの軸で47都道府県を切り分けたものでした。ここでもう一つ、観光需要を競合物件数で割った「参入余地」という指標を使ってみます。数値が大きいほど、競合物件数に対して観光需要が厚く、参入の余地が大きいエリアだということになります。

実は王道エリアの中にも参入余地が広い県と狭い県があり、飽和エリアの中にも同じことが言えます。つまり参入余地だけを取り出して並べ替えると、4分類とはまったく別の顔ぶれが浮かび上がってくるはずです。実際にやってみましょう。

参入余地TOP5は岩手県・三重県・佐賀県・山形県・福島県。冒頭の観光需要ランキング(東京都・愛知県・静岡県など)にも、競合物件数ランキングにも登場しなかった県ばかりです。逆にワースト5(参入余地が最も狭いエリア)は大阪府・京都府・東京都・北海道・沖縄県と、まさに冒頭のランキングの常連です。つまり「有名で需要も多いエリア」ほど、参入余地という軸で見ると真っ先に候補から外れる、という構図です。

ただし、この参入余地は今の需要と供給を映したスナップショットにすぎません。観光需要が伸び続ければ、供給がそれを追いかける形で参入余地は今より狭くなっていきます。つまり、今の参入余地がどうやってできたのかを知るには、観光需要がどれくらいのペースで伸びているかも見る必要があります。観光需要の成長率ランキングを見てみましょう。

特に象徴的なのが大阪府です。観光需要の成長率は全国トップ(+15.9%)なのに、参入余地は全国最下位。需要が伸びるほど、それ以上のペースで供給(競合物件)が積み上がっている構図です。逆に福井県は成長率が全国最下位(+1.2%)なのに、RevPARは全国トップ。伸び率の高さと、今の収益性・参入余地の広さは、必ずしも連動しません。

だからこそ、最初に見た「王道/成長/資産/飽和」の4分類は固定されたラベルではなく、毎年の指標の動きで入れ替わるスナップショットだと捉えてください。今日の飽和エリアが、需要の急伸で来年には成長エリアに変わることもあれば、今の成長エリアが供給の急増で来年には飽和エリアに変わることもあります。

有名エリアを避けろ、という話ではない

王道エリアは実際に存在しますが、参入余地が乏しくなりやすい前提で早めに動く必要があります。逆に資産エリアを選び、運用より保有・売却で利益を出す設計も合理的です。大事なのは「知名度」ではなく、この4分類のどこを、自分がどんな目的(資金・行動量・知識のどれを厚く持つか)で狙うのか、という順番で考えることです。

マクロは出発点。次はエリア・県・市区町村へ

今回の47都道府県分類は、あくまで最初のスクリーニングです。同じ都道府県でも、市区町村単位まで見ると、マクロデータだけではわからないことが見えてきます。

  • 近隣比較でのポジショニング:同じ県内でも、市区町村ごとにRevPARと供給密度のバランスは大きく異なります
  • 季節性の実態:ハイシーズン・ローシーズンの差、閑散期の有無は市区町村ごとに違います
  • 物件タイプ別の収益差:一棟貸し・個室・未登録で、収益性は数倍単位で変わります
  • 参入余地の近隣差:同じ県内の市区町村同士でも、物件あたり来訪者数は数倍の開きが出ます

こうした違いは、47都道府県のマクロデータだけでは絶対に見えません。そこで今回、本記事のデータをもとに、市区町村単位まで踏み込んだ詳細版のマーケットレポートを有料でご用意しました。気になる都道府県の市区町村別データ、想定収益イメージ、需給バランスなど、購入判断を誤らないための材料として、数字でご確認いただけます。

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【免責事項】
・本記事における「民泊」とは、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業、旅館業法に基づく簡易宿所営業、および特区民泊制度のいずれも含む総称です。
・本記事の内容は、2026年7月時点で確認可能な法令・制度・サービス内容等に基づき作成しています。最新の法令や制度、各サービスの詳細については、必ず各自治体や事業者の公式ホームページにてご確認ください。
・本記事で紹介している投資手法や運営実績は、個人の経験および特定の物件における事例であり、将来の確実な利益や投資成果を保証するものではありません。民泊投資には空室リスクや価格変動リスク等が存在するため、実際の投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。