ここまで、資金(第7章)と行動量(第8・9章)という、2つの武器を見てきました。しかし現実には、この両方に恵まれない人のほうが多いはずです。本業を持つサラリーマンであれば、純資産3億円もなければ、地場を歩き回る時間も取れません。資金でも行動量でも戦えない。そういう人は、民泊投資から退場するしかないのでしょうか。
そんなことはありません。資金と行動量、この2つだけでは説明のつかないことがあるからです。
同じくらいの資金しか持たず、同じくらいの行動量しか投じられない人同士でも、結果に大きな差が出ることがあります。片方は限られた休日を使って高い利回りを実現し、もう片方は同じように動いたのに、平凡な物件を掴んでしまう。この差を生んでいるのが、資金でも行動量でもない、第三の武器です。
それが知識、つまりマーケットを正しく読む力です。
時間が限られているからこそ、この知識が効いてきます。1件しか見に行けない人と、10件見て回れる人がいたとして、行動量では前者は勝てません。しかし、その1件を見たときに、これが仕込むべき物件かどうかを正確に見抜けるなら、10件見て的外れな判断をする人よりも、良い結果にたどり着けます。行動量が量を稼ぐ武器だとすれば、知識は、少ない機会の質を最大化する武器です。時間のないサラリーマンにとっては、むしろこちらのほうが現実的な戦い方だとも言えます。
とはいえ、この知識をゼロから一人で積み上げる必要はありません。ReINNには、次のようなデータがあります。

自社の実務から蓄積した生データと、公開されている統計データを掛け合わせることで、エリアの状態を数字で見ることができます。知識は、あなた一人がゼロから積み上げるものではなく、こうした蓄積されたデータを使うことで、時間をかけずに手に入れられるものでもあるのです。
そして、ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。知識と聞くと、多くの人は「良い物件の見分け方」を思い浮かべます。しかし実際に利回りを大きく左右しているのは、物件そのものの目利きよりも先に、どのエリアで戦うかという選択です。同じ物件の目利き力を持っていても、すでに競合がひしめき、地価も上がりきったエリアで戦えば、得られる利回りには天井があります。逆に、まだ市場が気づいていないエリアを選べれば、平凡な物件選びであっても、結果は大きく変わります。
つまり、知識という武器は、「このエリアの中でどの物件を選ぶか」という話の前に、「そもそもどのエリアで戦うか」という、もっと手前の選択に使われるべきものです。次の第3部では、この「どこで戦うか」を数字で見極める方法を、具体的に扱っていきます。
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