物件を確保しても、まだ勝負は終わりません。運営という、もう一つの行動量の使いどころが待っています。民泊運営には、自主運営・部分委託・完全委託という3つの方式があります。
【運営方式ごとの違い】

本業がある人、初めて運営する人、複数物件を運営する人は、基本的に「委託」前提での運営がすすめられます。理由は単純で、行動量という資源を、仕入れの段階でほぼ使い切っているケースが多いからです。
完全委託を選んだ場合、手元にはどれくらい残るのか。年間総売上を1,000万円程度と想定したシミュレーションでは、次のような内訳になります。
【完全委託における収益の内訳】

自主運営を選べば、この手数料分は手元に残ります。しかしこれは「得をする」という単純な話ではありません。本質は、自分の時間と手間を使って、その手数料分を「買い戻している」だけです。深夜のゲスト対応、清掃の手配、価格調整。これらすべてを、あなた自身の行動量で肩代わりするという意味です。運営委託を選べば、その手間を手放す代わりに、手数料という対価を払うことになります。これは「損をしている」わけではなく、あなたの行動量を、お金で買い戻してもらっているだけです。
つまりこの選択は、良い悪いの話ではなく、「自分の時間をいくらで売るか、あるいは買うか」という、ただそれだけの意思決定です。物件探しの段階で行動量を使い切ってしまった人は、運営では手間を買い戻す側に回るのが自然です。逆に、まだ行動量に余力がある人は、運営でもその手間を売り続けることで、収益を積み増せます。
行動量という一つの資源を、仕入れに使うか、運営に使うか、あるいは両方に薄く配分するか。第2部を通して見えてくるのは、結局のところ、資金という限られた武器を持たない大多数の人にとって、この行動量の配分こそが、勝ち筋を決める最大の変数だということです。

