第11章:なぜ「収益性が高い物件」を疑うべきなのか

物件情報を見ていると、「表面利回り15%」「驚異の高稼働率」といった魅力的な数字に目を奪われがちです。しかし、こうした単一の数字だけで判断することが、民泊投資における最も典型的な失敗パターンです。

収益性という指標は、あくまで「当時、その物件がどうだったか」を切り取ったスナップショットに過ぎません。その数字を生んだ背景、たとえば競合の少なさなのか、一時的な需要の高まりなのか、あるいは築年数の割に賃料が安いだけなのか、といった要因は数字の裏に隠れたままです。数字だけを信じて購入し、翌年には競合が増えて稼働率が下がった、という事例も少なくありません。

私たちは、エリア選定における判断の質を3段階で捉えています。

一番悪い例は、収益性だけを見て判断することです。パッと見の数字の良さに引っ張れ、その背景を確認しないまま契約に至ってしまいます。物件情報の見出しに躍る数字は、その物件を売りたい側が最も見せたい面を切り取ったものであることも忘れてはいけません。

普通のレベルは、収益性に加えて、築年数やアクセス、取引件数、競合状況など複数の情報を併せて見る段階です。単一指標よりは確実に前進していますが、まだ「とりあえず色々見ている」状態にとどまっています。

最も良いのは、収益性とその他のデータを、目的を持って重ね合わせて見る段階です。次章では、具体的にどう重ね合わせればよいのかを見ていきます。

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