民泊の開業には、住宅宿泊事業法・旅館業法・特区民泊のいずれを選んでも複雑な申請手続きが伴います。「手続きが煩雑」「不備で開業を遅らせたくない」という不安を解消するのが、行政書士による民泊申請代行です。
本記事では、代行サービスの費用相場やメリット、信頼できる業者の選び方まで、実務に役立つ情報を解説します。
この記事でわかること
- 民泊申請代行についての前提知識(役割、メリット、民泊タイプ別の違い)
- 民泊申請代行の費用感と対応範囲(必要書類、申請の流れ、代行可否)

■この記事の執筆者
ReINN株式会社/東急不動産ホールディングスグループ
民泊メディア編集部 マーケティングマネージャー
民泊領域に特化した専門編集チームとして、行政手続き・運営ノウハウ・物件選定など、開業から運営・売却までを一気通貫でサポートする情報を発信。営業現場で蓄積された実データと最新トレンドを基に、オーナーの意思決定を支えるコンテンツを企画・編集している。

■この記事の執筆者
ReINN株式会社/東急不動産ホールディングスグループ
民泊メディア編集部 マーケティングマネージャー
民泊領域に特化した専門編集チームとして、行政手続き・運営ノウハウ・物件選定など、開業から運営・売却までを一気通貫でサポートする情報を発信。営業現場で蓄積された実データと最新トレンドを基に、オーナーの意思決定を支えるコンテンツを企画・編集している。
【免責事項】
・本記事における「民泊」とは、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業、旅館業法に基づく簡易宿所営業、および特区民泊制度のいずれも含む総称です。
・本記事の内容は、2025年12月時点で確認可能な法令・制度・サービス内容等に基づき作成しています。最新の法令や制度、各サービスの詳細については、必ず各自治体や事業者の公式ホームページにてご確認ください。
民泊申請代行とは?
民泊申請代行の役割
民泊申請代行サービスとは、民泊オーナーに代わって、開業に必要な各種申請手続きを行う専門サービスです。主に行政書士が担当し、複雑な書類作成から行政機関への提出、審査対応まで一貫してサポートします。
民泊を開業する際には、消防署、保健所、自治体の生活安全課、環境局など、複数の行政機関と連携する必要があります。それぞれの機関で求められる書類や手続きは異なり、すべてを自分で対応しようとすると、かなりの時間と労力を要することになります。
民泊申請代行サービスを利用することで、これらの煩雑な手続きをプロに任せることができ、オーナー自身は物件準備や運営計画に注力できるようになります。
民泊申請代行を利用するメリット
民泊申請代行サービスを利用する主なメリットは以下の3点です。
- 確実な申請
行政書士は法令や手続きに精通しているため、書類の不備や手続きミスを防ぎ、スムーズな許可取得が期待できます。自分で申請して書類の差し戻しや再提出になると、営業開始時期が大幅に遅れる可能性があります。 - トラブル回避やリスク管理
民泊運営には建築基準法、消防法、旅館業法など様々な法令が関係します。専門家のアドバイスを受けることで、法令違反のリスクを回避し、近隣住民とのトラブル対策も適切に行えます。 - 時間の大幅な節約
申請書類の作成、行政機関への複数回の訪問、消防署との調整など、自力で行うと数週間から数ヶ月かかる作業を、専門家に任せることで大幅に短縮できます。時間の節約は大きなメリットといえるでしょう。
民泊タイプ別の申請代行の相場
民泊申請代行の費用相場と変動要素
民泊の申請手続きを行政書士に依頼する場合、費用は物件の条件や依頼範囲によって変動します。 ここでは、一般的な費用の算出方法と具体的な相場を解説します。
費用が変わる3つのポイント
申請代行費用は主に以下の3つの要素によって算出されます。
- ①建物の大きさ(延床面積)
部屋や建物が広いほど、図面作成や消防法令の確認業務の工数が増えるため、費用が上がります。一般的に50㎡未満、50㎡~100㎡、100㎡~200㎡など、段階的に設定されているケースが多いです。
- ②適用する法律
どの制度で申請するかによって、手続きの工数が異なるため、費用に差が出ます。
・住宅宿泊事業(届出): 手続きが比較的容易なため、費用は安め。
・特区民泊(認定): 新法と旅館業法の中間程度。
・旅館業法(許可): 審査が厳しく工数が多いため、費用は最も高い。- ③サポート内容
・フルサポート: 書類作成、役所協議、近隣周知など全てお任せ。
・申請支援: 重要な部分のみ依頼し、一部を自分で行うことで費用を抑える。
民泊タイプ別申請代行費用の相場一覧
建物の広さと申請する法律ごとの費用目安です。
| 建物の広さ | ① 住宅宿泊事業法 (届出) | ② 特区民泊 (認定) | ③ 旅館業法 (許可) |
|---|---|---|---|
| 50㎡未満 | 10万円~15万円 | 15万円~25万円 | 20万円~40万円 |
| 200㎡未満 | 12万円~20万円 | 20万円~30万円 | 30万円~50万円 |
| 300㎡未満 | 15万円~30万円 | 30万円~40万円 | 40万円~60万円 |
| 300㎡以上 | 20万円~40万円 | 40万円~60万円 | 50万円~100万円 |
別途で発生する費用
申請代行の基本報酬とは別に、以下のような実費が発生する可能性があります。
- 自治体の申請手数料:(地域により異なる)
- 図面作成費:(行政書士が対応できない場合は建築士への依頼が必要)
- 交通費・出張費:実費精算(現地調査や住民説明会の同行時など)
- 消防設備の設置・点検費用:物件の状況により数万円〜数十万円
これらの実費は見積もりに含まれていない場合もあるため、契約前に必ず確認しておくことが重要です。特に消防設備については、既存の建物に設備が整っていない場合、想定外の初期費用がかかる可能性があります。
申請の流れ
行政書士への民泊申請代行依頼の一般的な流れ
民泊申請を行政書士に依頼した場合、以下の6つのステップで手続きが進みます。
まず、民泊申請の実績がある行政書士を探し、無料相談を活用して物件の概要や希望する運営形態を伝えます。この段階で、物件が民泊運営に適しているかの簡易診断や、費用の概算見積もりを受けることができます。複数の事務所に相談して、サービス内容や対応の丁寧さを比較することをお勧めします。
依頼する行政書士が決まったら、委任契約を締結します。契約後、行政書士から必要書類のリストが提示されるので、登記事項証明書、住民票、建物の賃貸借契約書、マンションの管理規約(分譲物件の場合)などを準備します。図面については、行政書士が作成するか、建築士と連携して準備する流れになります。
すべての書類が整ったら、行政書士が代理で申請書を提出します。提出先は制度によって異なり、住宅宿泊事業法であれば都道府県や市町村の窓口、旅館業法なら保健所が中心です。特区民泊の場合は、指定された自治体への認定申請となります。
提出後は行政による内容審査が行われます。特区民泊や旅館業法では、設備・安全・苦情対応など多くのチェック項目があり、審査に1〜2ヶ月かかることもあります。必要に応じて現地調査が実施され、追加資料の提出を求められる場合もありますが、行政書士が対応してくれるためスムーズなやり取りが可能です。
すべての審査を通過すると、許可証や届出受理書が交付されます。これで民泊として営業を開始できます。許可取得後も、行政書士は営業開始に必要な追加届出(管理業者登録や標識設置など)のアドバイスを行ってくれることもあります。
運営代行業者との連携やフォローアップも含めて、安心のスタートが切れるよう、行政書士がサポートを継続してくれる場合もあります。
具体的な民泊の始め方については、下記の記事もご参照ください。

よくある質問
- 契約前に注意すべきポイントはありますか?
契約前に必ず確認すべきポイントは、料金体系の明確さです。どこまでが基本料金に含まれ、どこからが追加費用なのかを詳しく確認しましょう。特に、契約期間と途中解約条件、対応範囲(図面作成や消防対応も含まれるか)、追加費用の有無などを事前に確認することが重要です。
- 地方の物件でも申請代行を頼めますか?
はい、可能です。ただし、行政書士によっては対応エリアが限定されている場合もあるため、依頼前に確認が必要です。全国対応している事務所もありますが、出張費や交通費が別途かかる場合があります。地方の物件の場合は、その地域の条例や手続きに精通している地元の行政書士を選ぶことも有効な選択肢です。
- 申請代行を使わず自分で申請するのは難しいですか?
自分で申請することも可能ではありますが、制度を正しく理解していないと書類の不備や手続きのミスで申請が通らないリスクがあります。民泊の種類によって、ルールや必要書類が異なり、図面の作成や法的な条件の確認も必要です。特に消防法や建築基準法への対応には専門的な知識が求められ、役所とのやり取りにも手間と時間がかかります。初心者の方には負担が大きい可能性が高いため、最初から専門家に依頼した方が、手続きがスムーズに進み、結果的に時間とコストの節約につながることも多いです。
民泊の申請代行はReINNにご相談を
民泊開業には、物件選び、申請手続き、運営準備と多くのステップがあります。それぞれのステージで適切な判断と対応が非常に重要になります。
東急不動産ホールディングスグループのReINN株式会社では、民泊開業を目指す方の状況やニーズに応じて、最適なアドバイスとサポートを提供しています。
- 物件の立地や運営方針に合わせた民泊タイプの選定
- 信頼できる申請代行業者のご紹介
- 開業後の運営サポート
何か分からないことがありましたら、まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。あなたの民泊開業を成功に導くために、経験豊富なスタッフが丁寧にサポートいたします。





