地方の古民家を取得・改修し、なんと初年度で投資資金の大半を回収……。会社員として働きながら、こんな実績を打ち立てた若手投資家の方がいらっしゃいます。どんな視点で物件を探し、選択したのか。資金面の対応をどうしたのか。今後はどのようなビジネス展開を見据えているのか……。率直なお話を伺いました。
「INNsight by ReINN」は、民泊・旅館業特化の物件売買サイトです。都市部から別荘エリアまで様々な物件を掲載中。気になる利回りや許認可の取得状況なども閲覧できるため、スムーズな物件探しが可能です。
民泊物件を探す【免責事項】
・本記事における「民泊」とは、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業、旅館業法に基づく簡易宿所営業、および特区民泊制度のいずれも含む総称です。
・本記事の内容は、2026年5月時点で確認可能な法令・制度・サービス内容等に基づき作成しています。最新の法令や制度、各サービスの詳細については、必ず各自治体や事業者の公式ホームページにてご確認ください。
・本記事で紹介している投資手法や運営実績は、個人の経験および特定の物件における事例であり、将来の確実な利益や投資成果を保証するものではありません。民泊投資には空室リスクや価格変動リスク等が存在するため、実際の投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
手元資金300万円で1,200万円の物件を手にした方法
―――民泊を始めようと思われたきっかけ、そして民泊を始めるに際しての資金面の対応について教えてください。
H氏:たまたま知人に民泊施設を運営している人がいて、一緒にホームページを作ったり、実際にその施設の修繕やペンキ塗りなどをお手伝いしたりしているうちに、自分でもやってみようという気になったのが始まりです。
しかし、そのときの手元資金は300万円程度。自分で土地を買い、そこに建物を建てて民泊を運営するのはほとんど不可能でした。そのため、ひとまず300万円の手元資金でも交渉に応じてくれる先を探すことにしたのです。
そのなかで出会ったのが今、私が民泊施設として運営している日本海側の温泉地にある物件でした。当時1,200万円で売りに出ていました。

もちろん、手元資金ではどうにもなりませんし、ほとんどの銀行は民泊施設を買うための資金を融資してくれませんから、日本政策金融公庫の融資を利用しようと思い、交渉しました。でも、それもうまく行きませんでした。
ただ、その施設は旅館業の許可が取れていたので、前オーナー様と交渉して、まず300万円で営業権を買い取らせてもらいました。また、前オーナー様のご厚意によって、残金を前オーナー様に直接分割払いをする形にしていただきました。この方法を取ることによって、結果的には金融機関を介することなく、物件を手にすることができました。
―――民泊施設の購入資金について、銀行融資は受けにくいとも言われていますが、日本政策金融公庫からの融資もダメだった理由はなんですか。
H氏:私の生活拠点が東京だったこと、法人を設立して物件の管理・維持を行う形にしてはいたものの、法人の登記が神奈川県だったことです。
日本政策金融公庫が融資を出すにしても、物件は兵庫県にあるのに対し、法人の登記先が神奈川県であること、そもそも本人が施設、もしくは施設と同一県内に常駐していないことなどが、融資に当たって障害になったのではと考えています。
利回り、価格……条件に合う物件がたまたま「古民家だった」
―――地方の古民家を利活用して民泊を始められた理由は何ですか。また、その物件に決めた理由は何だったのでしょうか。
H氏:地方の古民家で民泊を始めた理由ですが、たまたま私の条件に見合う物件が古民家だったということで、これは結果に過ぎません。
ただ、地方の物件にしたのは、利回りを重視したという理由があります。
ビジネス的な側面で言うと、物件の取得金額で比べた際に、東京は地方より10倍程度高くなることも珍しくありません。一方宿泊単価は、同じスペック、同じサイズの物件で10倍もの差が生じることはなく、東京のそれは地方に比べてせいぜい2~3倍程度の印象です。つまり、東京より地方の物件の方が、それだけ利回りを高めることができると考えました。
また、実際に今の物件にたどりつくまで、エリアを特定せずかなりの物件を見て回りました。そのなかで、現在の物件に決めたのは、その物件が民泊で稼働していたからです。
前のオーナーさんが旅館として運営していたため、トラックレコードがしっかりしていました。実際に売上も開示していただき、年間600万円程度ということが分かりましたので、そこから経費が半分だったとしても、年間300万円くらいは残ります。
つまり1,200万円で買ったとしても、4年間で回収できる計算になりますし、物件の魅力を高めることができれば、さらに収益増が見込めるだろうと思い、物件を決めました。
ドミトリーを「一棟貸し」へ……エリア調査から見えた勝算
―――購入された後、リノベーションをされていますが、何をどのようにリノベーションしたのですか。
H氏:この物件は、前オーナー様の時に「ドミトリー」として運営していました。つまり、一棟の建物を細かく区切って貸し出すという感じです。
そのため、この民泊施設を訪れるお客様の大半が、1人か2人で日本を訪れる外国人観光客でした。
それを今回、思い切って一棟貸しに変更しました。小部屋ではなく、仲の良い2~3家族が一緒に過ごせるような建て付けです。そのため、想定しているお客様も、むしろ日本人のファミリー層向けにしてあります。

よく「ドミトリーから一棟貸しにしたことで勝算はあったのか?」などと聞かれることがあるのですが、その点は心配していませんでした。というのも、現地周辺の民泊施設は、大半がドミトリーのような小部屋を中心にしていたからです。
実際、Airbnbなどを調べても、観光地であるわりには、大人数向けの民泊物件がほとんど出てこないような場所でもありました。そこに大人数向けの宿泊施設を置けば、10~15人程度で宿泊したいというニーズを持ったお客様を集めることができるのではないか、と考えたのです。
もし予想が外れてお客様が集まらなければ、もう1度ドミトリーに戻して再び外国人観光客に来てもらえば、少なくとも前オーナーと同程度の年間600万円の収益は稼げるだろうとも考えていました。その意味でも、トラックレコードがある物件を購入できたのはラッキーでした。
お金をかけたのは床のリノベとサウナ設営、こだわりは漆喰の壁
―――古民家の魅力はどこにあるのですか。また、リノベーションに際して一番お金をかけたところ、あるいは逆に抑えたところはどこですか。
H氏:古民家の雰囲気は、外国人観光客や子どもたちに好まれる傾向がありますが、やはり築古物件ですから、修繕なども含めると維持が大変という課題はあります。
一方で、敷地が広いのは地方の魅力でもあり、メリットでもあると思います。庭にサウナを設営したり、バーベキューをするエリアを設けたりといった、さまざまなアクティビティを付帯させられるのが魅力です。
また、ドミトリーから一棟貸しに変えるためのリノベーションにもお金は掛かりましたが、一番お金をかけたのはサウナの設営、あとは床です。古くなった畳を剥がし、フローリングにしています。これも結構コストがかかりました。

逆に、自分の手を動かしてできるところはすべてDIYで対応し、大工さんにお支払いする人件費を抑えました。電気や水回りはどうしても専門の業者にお願いする必要がありますが、たとえば壁を塗ったり、襖を張り替えたりといった点は、基本的にDIYです。
ちなみに、リフォームに際して個人的なこだわりが1点あります。壁をすべて漆喰で塗りました。これによって、調湿や空気環境を改善しています。手間はかかりましたが、できあがりには満足しています。
リピーターからの「直接予約」を狙うメリット
―――実際に稼働させてみて、収支的にはいかがですか。また、売上・利益を今後、さらに伸ばしていくために考えていることがあれば教えてください。
H氏:稼働させてから1年が経過しようとしていますが、売上は想定どおりで、前オーナー様の時代に比べて2.5倍程度にまで伸びています。今後、ダイナミックプライシングの導入など細かいところをさらに詰めていけば、まだ伸びる余地はあると見ています。
また、民泊施設の場合、ホテルに比べてリピーターが多いという特徴があり、そこは重要なポイントです。ここから稼働率や売上をさらに伸ばすために、リピーターには施設のファンになってもらえるよう、定期的なメール配信や、SNS発信を行い、稼働率の向上につなげようと考えています。
最初の物件選びの成功が「順調な運営」に直結
―――実際に宿泊された方からは、どのような点を評価されましたか。また民泊施設を順調に運営するために留意しておくことがあれば教えてください。
H氏:まず、現時点での評価を得ているのは、アクティビティをたくさん用意していることです。もう、詰め込めるだけ詰め込みました。サウナ、バーベキュー、カヌー、SUP、釣り竿、浴衣など、子どもも楽しめるアクティビティも用意しているので、そこは高い評価を得ています。「また来たい!」というコメントもたくさんいただいております。

民泊施設の順調な運営という点では、少なくとも私の場合、最初の物件選びで失敗しなかったことがあります。これはとても重要で、すでに旅館業の許可を得て運営されていた、トラックレコードをしっかり持っている物件を買ったのがよかったと思います。
あとはAirbnbをはじめ、さまざまなOTAを活用したり、インスタグラムなども用いたりして、集客のプロモーションをしっかり行っていること。それに加え、お客様からいただいたフィードバックに対して即座に対応すること。このあたりが、民泊施設を堅調に運営していくうえでは大切なことだと思っています。
工夫や戦略が収益に結び付くのが民泊事業の面白さ
―――最後に、これから地方で民泊施設を運営しようと考えている人たちに対して、何かアドバイスをいただけますでしょうか。
H氏:まずは、「どのような目的で民泊を行うのか」を明確にすることが大切だと思います。利回りを重視したいのか、手間をかけずに投資したいのか、あるいはご自身でも別荘のように使いたいのか、目的によって選ぶべき運用方法は変わってきます。
民泊の場合、ワンルームマンション投資のような純粋な投資対象としてだけでなく、家族で楽しむ別荘兼用として活用することも可能です。その場合、工夫次第で高いリターンが期待できる一方、投資というよりも事業としての色合いが濃くなります。こうした点を踏まえ、「一番重視したい点は何か」を考えたうえで判断することが大切ではないでしょうか。
手離れの良さを重視するならワンルームマンション投資が1つの選択肢かもしれませんし、自分でいろいろ工夫をしつつ、戦略を練ってリターンを高めたいのであれば、民泊が良いでしょう。そこは投資家の皆さんの意向、お考え次第だと思います。
「楽しい!」「また来たい!」が生み出す大きなメリット
地方エリアにたくさん眠る不動産。これらの魅力を引き出し、民泊として活用すれば、多くの人を呼び込み、収益が生まれます。訪れた宿泊客が思い切り楽しめば、そのエリアに活力をもたらします。今後、「民泊物件」が手軽に投資できるアセットクラスになれば、民泊の普及を通じ、地方の発展・活性化が期待できるのではないでしょうか。
東急不動産ホールディングスグループの「ReINN(リイン)」では、民泊の参入戦略の設計から、物件購入、融資、開業、運営体制の構築、出口戦略までを統合的に支援し、あらゆる人が手軽に宿泊事業を運営できる仕組みを提供しています。民泊物件の売買に強い不動産会社や、民泊ローンの提供が可能な金融機関との連携、全国の住宅宿泊管理業者とのネットワークを駆使し、収益性と節税のバランスを考慮した安定的な運営をサポートいたします。
「民泊を始めたいものの、何から始めたらいいかわからない…」「既に運営をしていて、収益を改善したい…」とお悩みの方は、まずはReINNへお気軽にご相談ください。
「INNsight by ReINN」は、民泊・旅館業特化の物件売買サイトです。都市部から別荘エリアまで様々な物件を掲載中。気になる利回りや許認可の取得状況なども閲覧できるため、スムーズな物件探しが可能です。
民泊物件を探す


